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日商簿記検定(ネット試験)を受けてきた

日商簿記検定

概要

商工会議所が行っている検定試験、日商簿記検定を受験してきた。

日商簿記検定とは、複式簿記の知識と付帯する計算能力を問う試験である。国家資格ではないのでとくに業務独占権などはないのだが、その業務の性質上、とても有名な資格だ。

家計簿を複式簿記でつけてちゃんと運用しようと10月31日に3級を受け、そのまま流れで12月5日に2級を受験した。家計簿をつけるだけであれば2級までは要らないが、2級まで取得するとそれなりに仕事もあるようなので、もののついでに取得することにした。

以前は年数回の一斉試験を受験するしかなかったが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、ネット試験が新設された。これはいわゆるCBT方式であり、各地のテストテンターに行くことで任意の日時に受験することができる、というものである。もちろん八代もネット試験を受験した。土日に受験するのであれば、だいたい2-3週間前には申し込んでおかないと枠が取れないことがあるので要注意である。

各級は以下のように勉強した。

3級

  1. Udemy受講
    Udemyの簿記入門3級のビデオを受講。テキストを買ってもよかったが、とある理由で無料で受けられたので、Udemyを選択した。
    2倍速で視聴し、問題も解かなかったため、7時間程度で視聴完了。日数にすると3日間で視聴した。
  2. 問題演習
    過去問・予想問題を7回分解いた。
    過去問にあたる5回分はネット試験方式開始前のだいぶ昔の過去問で、試験時間も2時間のものを、紙で解いた。久々に電卓を触ったので、ボタンに慣れる過程が楽しかった。
    新方式も解いておきたかったのでネットで無料で手に入る試験問題を2回分解いた。こちらは試験時間1時間のもの。復習を入れてもおよそ15時間程度であったと思う。日数にするとおよそ1週間程度。
計22時間程度の勉強時間であった。毎日やったわけではなく、何日かサボりながらだったのでおよそ半月程度で受験した。勉強時間は上で足りるとは思うが、"簿記に頭を慣らす"期間として余裕を持っておいたほうがいいと思う。たとえば8時間×3日で頭に詰め込んで挑戦、は少なくともぼくにはできない。

2級

初めに言っておくが、3級とは難易度は段違いであった。とくに商業簿記の連結会計は結局20%ほど捨てて、わかるところだけ解く方針に変えたくらい。一応八代はこれでも筑波大学卒なので、わりと世間的には頭のいいほう?だが、連結会計は面倒だった。
  1. Udemy受講
    やはり無料で受けられたので、商業簿記工業簿記をそれぞれ受講。3級と同様、1.5-2倍速で視聴し、問題も解かなかったため、15時間程度
    正直連結会計は2倍速では理解できなかった。が、見直すのも面倒くさかったので、問題演習でどうにかしよう、と考えた。そのまま理解できずに受験まで突入することになった。連結会計だけは1倍速で視聴するか、テキストを買って連結会計の問題はちゃんと解くことを推奨する。
    日数としては1.5週間程度。
  2. 問題演習
    今回はちゃんとした問題集を買った。ネット試験の様式に慣れたいと思ったからである。とくに数字キーの連打はちゃんと慣れておけば時間の節約になる。
    12問あるが、受験当日までお布団の誘惑にだいぶ負けてしまったので、解いたのは11問。単純に問題を解くのと、正答率7割以下の問題を解きなおすのに25時間程度、解説の理解にだいたい3時間程度使ったと記憶している。最初は問題を90分以内に終わらせられなかったので、けっこう時間を割くことになった。
    問題以外に、簿記2級全体のざっくりした理論解説も問題集に載っていたので、それを読む・読み直すのにも5時間程度使った。
    こちらは日数としては2.5週間程度。
というわけで、計48時間程度使った。3級の倍以上の学習時間がかかっていることがわかる。これでも連結会計の一部について理解を捨てている。ただ、連結会計のうちあいまいだったのは前年度の処理の箇所だけで、ここを捨てても7割以上の得点が見込めるため、八代は捨てたし、どうしても難しければみんな捨ててもいいと思う。連結会計が出るとは限らないし。
ちなみに八代の本試験ではバリバリ連結会計が出た👿

ネット試験

実地試験もネット試験も問題は変わらないそうだが、ネット試験のほうがキーボード連打で数字が打てるし、プルダウン式なので選択ミスもなく、受けやすいとは思った。
ただ、テストセンターはみんな簿記を受けているわけではないので、静かなテストルームで電卓の音を鳴らすのは少し気まずかった。もし確かめられるようであれば、打鍵音が静かな電卓をおすすめする。
また、数字を打っている間は、数字の間の区切り記号が出ない(100,000ではなく100000という感じ)。打ち終わってカーソルが外れるとちゃんと区切り記号は表示されるのだが、入力ミスには注意が必要である。ほぼ脊髄反射で0の数を正確に連打できるようになっておくと、5分程度浮かせられるのではないかと思う。
八代は職業が情報技術者で、そこそこExcelも触っていたので、この点は優位だった。

総括

というわけで総計70時間を要して簿記2級に合格したわけであるが、八代はあんまり経理は好きでは無いな、と思った(おい)。
ただ、財務状況を正確に管理できる、というのは好き嫌いとは別に、大切な技術だ。簿記を受ける過程で八代は複式家計簿のフォーマットを作ったが、いわゆる現金主義の単式家計簿よりはるかに正確に自分の置かれている状況が分かる。基礎教養として3級程度の知識があるだけで、お金周りの理解は進むのではないかと思った。
受験生諸君、健闘を祈る。

コメント

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