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9月, 2020の投稿を表示しています

人とつま恋Blu-rayを見た話

先週の土曜日のことだった。 昭和歌謡好きの友人が、家に遊びに来た。吉田拓郎と中島みゆきがお互いに好きなものだから、つま恋ライブのBlu-rayを一緒に見ようということになったのである。知っている人は知っているだろうが、吉田拓郎のライブに中島みゆきがサプライズで登場して、「永遠の嘘をついてくれ」を歌った、伝説の一幕である。 じつはこのつま恋ライブのBlu-ray、元々中島みゆき好きで意気投合していた盟友と見ようと買ったものだった。しかしそれを買った数か月後に彼が交通事故で亡くなってしまったものだから、その計画は立ち消えになってしまった。 それから二年後、中島みゆき好きのひとと縁ができてこうして鑑賞ができたというのは、ぼくにとってはとても嬉しいことだった。彼らの歌のすばらしさを讃え、歌と繋がったきっかけなども話した。 ぼくらの年代ではなかなか拓郎やみゆきが好きなひとがいないものだから、ぼくはもう嬉しくて楽しくて、すっかり酔っぱらってしまった。大好きなものに対して同じ感動を共有できるということは、ありふれているようで、じつはとても稀有で大切なことだ。 それまでにぼくが買いためていた中島みゆきのライブBlu-rayも鑑賞し、CHAGE and ASKAや尾崎豊のライブ映像なども鑑賞した。ちょっとギターをかき鳴らしたりもしたが、ほろ酔いだったのでうまく弾けなかった。次はちゃんとしたライブに招待したい。 そんなこんなで昭和歌謡を楽しんだわけであるが、夜が深まるにつれて、ぼくの持っているライブ映像が終わってしまうかなしさを感じた。ぼくが中島みゆきを好きになってから少しずつ買ってきたライブ映像たちも、たった一晩の飲みで鑑賞し終わってしまうとは。ずっとライブ映像の山を見ながら、その音楽に感じ入りながら、夜を明かしてしまうくらいの資源が欲しかった。「うちには無限にライブ映像があるんだぞ」と意気揚々と次のディスクに切り替えたかった。 友人を駅まで送った後、帰り道に歌った曲は「永遠の嘘をついてくれ」。鑑賞会のさなかで垣間見えた、私たちに残された彼らの映像資源の終わり……いや、まだまだあるはず。きっと。新しいディスクを探すぼくの手は、やはり永遠の嘘を探している。